「ほしのいえ」支援者のご紹介

「信濃のフードバンク (山谷)やま農場」 藤田 寛さん
藤田さんは、「ほしのいえ」などに食料提供のボランティアを長年続けておられます。そのお働きが新聞で3度も伝えられましたので、ご紹介させて頂きます。

★失業者助けるコメが足りない 市民団体主宰  藤田 寛(相模原市南区 42)

 私は、東京など関東地方で路上生活を強いられている失業者に、炊き出しなどの支援を行う民間団体に、毎週、長野県東部の佐久地域からコメや野菜などの食料を無償で送り届けています。

 送るコメだけでも毎月計500㌔になります。活動の趣旨に共感する地域の人たちが寄せてくれたものです。信州はいま、稲刈りがまっ盛りで、昨年度産の自家保有米を処分したいと提供を申し出る電話が、地域からかかりはじめました。

 1月から9月末までに長野県内で集まったコメは約2㌧。前年比で2㌧も減っています。東京電力福島第一原発の事故でコメの卸値が上がり、その余波が余剰米を当てにする私たちに影響を与え続けています。

 「藤田さんからコメが来ないともうおにぎりはつくれないの。おじさんたちに申し訳ない」。東京・山谷地区で週1回、約700個のおにぎりを配り歩くカトリックの修道女に泣きつかれてしまいました。どうしたらいいのでしょうか。

 (2012年10月10日付『朝日新聞』東京本社版投書欄「声」)


「信濃のフードバンク (山谷)やま農場」 藤田 寛さん

(2012年10月3日付『東京新聞』首都圏版)
★困窮者向け支援米求む

 震災影響で古米不足 相模原の男性、呼び掛け

 生活困窮者支援を続けている神奈川県相模原市の団体職員藤田寬さん(四二)の投稿が八月十六日に本紙発言欄ミラーに載った。藤田さんは長野県を拠点に支援米を集め山谷地区などに送ってきた。 ところが東日本大震災の影響で古米の値段が上昇し米の確保に苦労しているという。「このままでは支援を続けられなくなる」。藤田さんは支援米の提供者を求めている。

 藤田さんは一九九九年、同県佐久市で「山谷(やま)農場」を結成。小海町の旧保育園内にプレハブ倉庫を設置し、信州を中心に全国から寄せられた支援米を保管している。毎週末、自宅から農場へ車を飛ばし、必要量の米を精白し、都内の支援団体に郵送してきた。

 農場に寄せられる古米の量が急激に減ったのは東日本大震災以降。低価格米が換金作物として見直されるようになり、農場に無償で寄せられる余剰米が昨年、前年比で約二㌧減ってしまった。今年一~八月に支援者から寄せられた米は約三・五㌧。支援団体に郵送した米は四㌧近くに上っており、慢性的な米不足が続いている。

 米の支援を受けている東京都荒川区の「ほしのいえ」は、山谷地区の路上生活者への生活支援や福祉活動を続けている市民団体。毎週火曜日に支援米約四十~五十㌔を大釜で炊き、七百個のおにぎりをつくり、約四百人に配っている。

 運営委員でカトリック修道女の中村訓子さん(六九)は「路上生活者の支援には人間関係をつくることが大切。おにぎりをきっかけに生活保護や住居探しなど自立の手助けをしている。ここ数年、三十~四十代の人が増えている。米の提供がなくなれば支援活動は難しくなる」と話す。

 藤田さんは「社会の底が抜け落ち、条件さえ合えばいとも簡単に路上生活へ転落する時代。支援団体に十分なことをしてあげたい」とし、玄米や梅干、未使用切手の寄付を呼び掛けている。

(編集委員・土田修)


「信濃のフードバンク (山谷)やま農場」 藤田 寛さん

(2012年8月16日付『東京新聞』投書欄「ミラー」)
★困窮者支援し続ける

団体職員 藤田 寛 42(相模原市南区)

 路上生活者など、公助の網(セーフティーネット)からすっぽりと抜け落ちてしまった生活困窮者。彼らを食の面から支えようと、私は八ケ岳のふもとの南佐久郡小海町を拠点として約15年間、彼らに提供する食料の調達を一人でほそぼそと続けている。

 昨年は、東京電力福島第1原発事故による放射能汚染で、前年度産を中心に古米の値段が上昇した。そのために余剰米を手放す人が続出し、例年以上に米の確保に苦労した。それでも私を信頼し、声をかけてくれた地域の人がいた。その方たちにはいくら感謝してもしたりない。前年並の量にようやく達したのは、昨年の大みそかだった。

 私の食料提供先の一つに東京都荒川区の「ほしのいえ」がある。山谷地区でカトリックの修道女たちが中心となり週1回、おにぎりとみそ汁を配っている。おにぎりは、1人2個ずつ渡せるよう700個用意しようと、昼頃から6リットルのガス炊飯器2つを使い、9回も炊くのだという。縁の下の力持ちとして社会を支えてきた山谷のおじさんたちが、高齢で就労できなくなり、路 上生活に至ったことを〝自己責任〟として切り捨てていいのだろうか。おにぎりを通じておじさんたちに寄り添い続けていきたい。活動を始めてから約20年間、彼女たちはその一念で配食を続けてきたと いう。困窮者支援に区切りをつけることがいかに難しいか。年度末も年度初めもない。しかし、修道女たちが私を必要としているかぎり、できるかぎりのことを信州からしていきたいと思っている。


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